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飲酒運転しても罰を受けない時代があった!?飲酒運転はどのように厳罰化されてきたのか

お酒を飲むとアルコールの影響で認知機能が低下して、安全に車を運転することができなくなります。どんなに少量でもお酒を飲んで車を運転すると、道路交通法に違反することになります。

道路交通法にはこのように規定されています。

第65条 第1項 何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない。

今回の記事では道路交通法に違反した場合の罰則と、過去から現在に至るまでの飲酒運転による罰則の変遷を解説いたします。

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飲酒運転で取り締まれられる基準

酒気帯び運転

  • 呼気1リットル中のアルコール濃度が0.15mg以上、0.25mg未満の場合
  • 呼気1リットル中のアルコール濃度が0.25mg以上の場合

酒気帯び運転は呼気に含まれるアルコール濃度によって違反が2区分あり、行政上の処分が異なります。

酒気帯び運転0.15mg以上0.25mg未満 

違反点数13点 免許停止90日

酒気帯び0.25mg以上 

違反点数25点 免許取り消し欠格期間2年)

酒気帯び運転をした場合の罰則 

懲役3年または罰金50万円

欠格期間…免許取り消し後、免許が再取得できない期間。

※この記事に記載される欠格期間は免許が取り消された前歴がない場合

酒気を帯びていても、呼気1リットル中のアルコール濃度が0.15mg未満であれば道路交通法では、酒気帯び運転として取り締まる罰則がありません。ただし、酒気帯び状態ではあるので道路交通法には違反しています

酒酔い運転

  • まっすぐ歩けない、正常な受け答えができない等、客観的に見て酩酊状態の場合

取り締まられた場合の罰則

酒酔い運転 

違反点数35点 免許取り消し(欠格期間3年)

酒酔い運転をした場合の罰則 

懲役5年または罰金100万円

酒酔い運転は呼気のアルコール濃度ではなく、あくまでもドライバーの状態によります。数値が低くても酩酊状態であると判断されれば酒酔い運転になる可能性があります。

お酒を飲んでいると知りながら運転者に車を提供した場合は運転者と同様の罰則が科されます。

また、運転者が飲酒してることを知っていて、その車両に同乗していた場合は下記の罰則が科されます。

酒気帯び運転者の車に同乗した場合 

懲役2年または罰金30万円

酒酔い運転者の車に同乗した場合

懲役3年または罰金50万円

これは過去からずっと同じ罰則であった訳ではなく、当時の交通情勢や、悲惨な交通事故等の多発により、飲酒運転に対する法律の改正が行われ、徐々に罰則が厳しくなってきました。

飲酒運転に関してどのような法改正があったのかを解説いたします。

飲酒運転厳罰化の過程

1960年道路交通法施行

1947年(昭和22年)に制定された道路交通取締法が廃止され、1960年(昭和35年)新たに道路交通法が施行されました。

この時に初めて飲酒運転が規制されるようになります。内容は呼気1リットル中のアルコール濃度が0.25mg以上の場合は運転してはならないと定められました。

ただし、罰則等の規定はありません。また、0.25mg未満の飲酒は、この当時法律に違反しないという内容でした。ただし、酒酔い運転(酩酊状態)は法律により規制されています。

酒酔い運転は『6月以下の懲役』または『5万円以下の罰金』

昭和48年(1973年)の警察白書を確認すると、昭和41年(1966年)以降の酒酔い運転の取り締まり件数は、毎年10万件ほどありました。

1964年(昭和39年)酒酔い運転の懲役が『1年の懲役』に引き上げられる

1969年(昭和44年)違反点数制度が開始される。酒酔い運転は違反点数9点 免許停止となる

1970年飲酒運転が禁止される

1970年(昭和45年)に飲酒量に関わらず飲酒運転を禁止する法律へと改正されました。取り締まりの基準として、呼気1リットル中のアルコール濃度が0.25mg以上の場合と酒酔い運転には、下記の罰則が科されるようになりました。

0.25mg未満であれば取り締まりはないが、法律には違反するということです。また、飲酒運転の運転者に対する種類の提供も禁止されることになりましたが、当時罰則はありませんでした。

酒気帯び運転0.25mg以上 

違反点数6点 免許停止』 

酒気帯び運転の罰則

3月以下の懲役または3万円以下の罰金

酒酔い運転 

違反点数12点 免許停止

酒酔い運転の罰則

2年以下の懲役または5万円以下の罰金

1978年(昭和53年)12月 酒酔い運転免許取り消しとなる。違反点数は15点(欠格期間1年)

酒酔い運転が直ちに免許取消しとされたため、酒酔い運転による死亡事故は前年同月比57.1%減と大幅な減少をみせた。

引用元:昭和54年警察白書

警察白書によると1977年12月に比べて1978年12月の死亡事故が半減との記載があり、その年を境に酒酔い運転の取り締まりが格段に減少しています。

1976年(昭和51年)71,063件
1977年(昭和52年)69,445件
1978年(昭和53年)50,938件
1979年(昭和54年)25,634件
酒酔い運転の取り締まり件数(1976年~1979年)

1987年(昭和62年)罰金額の引き上げ

・酒気帯び運転0.25mg以上 

『3月以下の懲役または5万円以下の罰金』

・酒酔い運転 

『2年以下の懲役または10万円以下の罰金』

2002年にさらなる罰則の強化

1987年の罰金額の引き上げ以降大きな改正がなかった中、悲惨な飲酒死亡事故をきっかけに2002年(平成14年)飲酒運転に関する法律の厳罰化が実施されました。この改正により違反点数の引き上げや罰金額の引き上げ、また、呼気0.15mg以上でも取り締まりの対象になりました

酒気帯び運転0.15mg以上0.25mg未満 

違反点数6点 免許停止

酒気帯び0.25mg以上 

違反点数13点 免許停止

酒気帯び運転の罰則

1年以下の懲役または30万円以下の罰金

酒酔い運転 

違反点数25点 免許取り消し(欠格期間2年)

・酒酔い運転の罰則

3年以下の懲役または50万円以下の罰金

2007年罰則強化

2007年(平成19年)違反点数はそのままに、罰則が強化されました

・酒気帯び運転0.15mg以上0.25mg未満 

『違反点数6点 免許停止』

・酒気帯び0.25mg以上 

『違反点数13点 免許停止』

酒気帯び運転の罰則

3年以下の懲役または50万円以下の罰金

・酒酔い運転 

『違反点数25点 免許取り消し(欠格期間2年)』

酒酔い運転の罰則

5年以下の懲役または100万円以下の罰金

この改正時に、運転者への酒の提供、飲酒した運転者への車の提供、飲酒運転者が運転する車に飲酒を知っていて同乗するなど、飲酒運転者以外の周囲の者への罰則が強化されました。

2009年罰則強化

2009年(平成21年)罰則はそのままに、違反点数が引き上げられました

・酒気帯び運転0.15mg以上0.25mg未満 

違反点数13点 免許停止

・酒気帯び0.25mg以上 

違反点数25点(欠格期間2年

・酒気帯び運転の罰則

『3年以下の懲役または50万円以下の罰金』

・酒酔い運転 

違反点数35点(欠格期間3年)

酒酔い運転の罰則

『5年以下の懲役または100万円以下の罰金』

この罰則が2022年(令和4年)時点でも適用されているものになります。

飲酒運転に関する罰則は年代を追うごとに厳しくなりました。その成果もあり近年は飲酒運転に関する取り締まり件数が減少しています。

下記は酒気帯び運転の取り締まりが始まった1970年(昭和45年)から2020年(令和2年)までの5年ごとの『酒酔い運転』と『酒気帯び運転』の取り締まり件数になります。

データ引用元:警察白書

まとめ

昭和の時代には『酒酔い運転』だけでも10万件以上の取り締まりがあったものが、令和になり495件(2020年の件数)となり、『酒気帯び運転』も昭和から平成にかけて30万件以上取り締まられていたものが、2万1963件(2020年の件数)となりました。

1970年当時、免許を保有者していた人数は約2,644万人いて、その後免許保有者数は増加し2020年には約8,200万人となりました。免許保有者数は3倍以上に増えましたが、飲酒運転に対する罰則やドライバーの意識向上から取り締まり件数はかなり減少しております。

飲んだら乗らない、それが一番大事ですね。

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